old air rhyme
凪~sur-round
あ・し・あ・と
spring     summer     AUTUMN     winter
 海中が一年の中で最も麗しく生物的には特に賑わい華やかな季節、秋。
 黒潮の影響を一番に受けた夏からのこの季節、多少水温も下がり始める中、微生物などが減ることでまず潮が蒼く澄んで見えるようになる。そして台風の影響で集まってきた南方系の生物や黒潮の支流に任せ回遊してきた外洋性回遊魚、また夏の時期に孵化し成長した魚や生物達が各々根付き、澄み切った海の中で束の間の賑わいを見せる。
 透明度にして、10〜15mぐらいを平均に、時には20〜30mにまで達することも稀ではない。ただ水温は24〜5℃から徐々に下がり始め、12月クリスマスを迎える頃には17℃位まで落ち込む。水温の変化としては最も落差のある時期とも。
 いずれ秋を潜らずして何時潜ると言われるほどの、正にベストシーズン。如何に楽しむかは人其々。
 
 イナダ、カンパチ、キビナゴ、イワシ、
ナンヨウツバメウオ、ミツボシクロスズメダイ、クマノミ
スズメダイ、ネンブツダイ、ミナミハタンポ、アオリイカ
カエルアンコウ、ベニカエルアンコウ、イロカエルアンコウ
クマドリアエルアンコウ、ハナタツ、タツノイトコ
ガラスハゼ、ハナハゼ、クロユリハゼ、チャガラ
ミノカサゴ、ハナミノカサゴ、キリンミノ、ヤマノカミ
ハタタテダイ、トゲチョウ、フウライチョウ、ニセフウライ
ミナミハコフグ(yg)、アオサハギ、アミメハギ、ヨソギ
イソギンチャクエビ、カザリイソギンチャクエビ
イソギンチャクモエビ、アカホシカクレエビ、マルガザミ
アサヒガニ、セスジミノウミウシ、ニシキウミウシ
ムラキウミコチョウ、キイロウミコチョウ
ムカデミノウミウシ、ミチヨウミウシ
etc
  
アカスジカクレエビ オルトマンワラエビ アカホシカクレエビ(yg)
 トサカやヤギ類などに着生するエビ。
 なかなか小さいが、とても奇麗なエビ。トサカの色としっかりマッチングして、見事に溶け込んでいる。
 あまりマクロレンズの世界に浸っていると、少しばかりメルヘンチックな感覚に陥りそう。 
 麦わらのような足を持つことから嘗ては“ムギワラエビ”などと呼ばれていた。今は訳あってこの名前。
 蜘蛛のようで“エビ”と呼ばれるこん子は、ヤドカリの仲間。
 見れば見るほど奇妙なフォルム。キッチュ?…不思議な存在です。。。
 結構奇麗で人気もある南方系のカクレエビ。透明な体に赤白のストライプ柄を身に纏っている。
 この写真の固体は2cm弱だが、成長すると5cmほどになる。
 因みに被写体の共生する宿主はグビジンイソギンチャク。これもまた奇麗なイソギンチャクの仲間だ。
イソギンチャクエビ
(♀)
クリアークリーナー
シュリンプ
ミツボシクロスズメダイ
(yg)
 イソギンチャクに隠れて共生するエビの代表格。
 かなり大きくなり写真のもので5センチ近くまで成長―ただし雌―。とは言え越冬は難しいようで何時しか消えていなくなってしまう。
 透通った体に白い斑紋状の模様が並ぶ、見た目にも分り易いとても奇麗な種。
 読んで字の如く海中生物界のお掃除屋さん。
 とにかく体が透明で微かに赤と白の斑点が見られる。そして砂に溶け込むように目立たない。ただライトの当て方ではかなり綺麗に映る。
 所謂クリーニングスポットで常に待機して魚などの訪問を待つ。が、あまり仕事をしない?…様に見える。
 夏が終わって秋が深まる頃、台風に運ばれて?オオサンゴイソギンチャクに着生する。南方系死滅回遊魚の代表的な存在でなかなか越冬することは無い。クマノミに近い種。
 黒に白の水玉3個が幼魚の特徴であり名前の由来。大人になると水玉は消える。
ベニカエルアンコウ ネッタイミノカサゴ(yg) オオモンハタ
 石橋ではお馴染みのカエルアンコウ。季節を通して割といつでも出会うことが出来る。
 とにかく色彩のバリエーションが多いので、見ていて面白い。
 写真の子は、この種ではわりと見かけるオレンジ色、珍しく体皮にゴミも少ない。
 南方系ミノカサゴ。まだ産まれて間もない赤ちゃんで、2cm弱。それでもすでにしっかりとした成魚の風体だ。特徴的な胸鰭が大きく開くと小さいながらにもとても奇麗で、引き込まれる。
 ヤギを背にこれは擬態のつもりなのだろうか?何れにせよ彼もまたハンターだ。
 ハタの中でも小型の種類。。
 おおよそハタは他者に対して臆病だが、オオモンハタは好奇心旺盛な様子。
 物陰に隠れながらも円らな瞳をキョロキョロさせながらこちらを覗っている。気になって仕方ない様だ。何とも愛嬌のあるハタである。
ガラスハゼ ニシキハゼ
キヌバリ
 暫くの間こん子達はペアで暮らしていた。
 いつもは同じ方向を下向きに生活している(写真は横向きに撮影)が、時折こうなる。
 何かを呟いているのか、叫んでいるのか、会話か、はたまた喧嘩か?大きいほうはさして動じる様子もないのだが…
 成魚になると砂底で一所よりあまり動かず、そこそこの範囲内で生活をする。
 そのため面白いことに彼らが生活している領域はゴミなどが掃かれ、奇麗にサークル状になっていることが多い。
 普通種ではあるが、青のラインが非常に際立ち、とても奇麗。
 とても奇麗なハゼの一種。成魚になると群れを離れ単体でカジメの中に身を潜め生息する。
 特徴的な配色の横縞模様、日本海側に生息するものは7本で、太平洋側は6本。とはよく語られる話、実に面白い。
 被写体としても人気がある。
ニジギンポ
アオリイカ(yg) ミナミハタンポ
 ギンポの特性、岩穴などを好み、そこに住み着くニジギンポ。時にこんなところをも住処に。
 よく“リサイクル”などと社会風刺的に皮肉られることもある光景、が故に彼自身この表情、実に健気で愛くるしく感じられる。
 こん子もまたフォトジェニック!!!
 今の時期になると今年生まれのまだ若い固体が相当数で編隊を組み、遊泳し始める。
 幾つもの固体が優雅に泳ぐその光景は実に幻想的であり、時間の流れが止まる。
 イカは知能が高いと言われる。たまに目が合う。果たして何を思われているのか。
 秋を象徴するお魚さん。浅瀬の物陰などに添うように大きな群れを作る。
 地味ではあるがなかなかどうして見ごたえは十分。圧倒的な数と水面からの陽射にその存在感は見事なほど映える。
 見ていて飽きない秋の風物詩である。
イワシ ワニゴチ
テンスモドキ
 イワシの群れが入りだすといよいよ海の中も秋本番。
 沖合いにある黒潮の影響を受け回遊魚が舞い込んでくる。その数は計り知れない。
 キラキラと体を輝かせながら彼らはその圧倒的な数で辺りを埋め尽くす。
 砂底に生息するコチの仲間。平べったい体を砂に同化させようとジッとしている。が、実のところ良く目立つ。
 眼上に特徴的な皮膜があり、その形状で他のコチと区別ができる。
 それはそうと何ともユニークで不思議な顔をしている。
 一見すると地味な印象のお魚さん。べラの仲間。ただ光を照らすと鮮やかな色合いを放つ。更に彼等は気持ち?にあわせて体色を変える事も。
 テンスに似ることで“モドキ”などと言われるが、どちらが本家と言う事でもない。
 いずれこの面構え、アンニュイで ステキ。。。
ニシキウミウシ ヒラメ ナンヨウツバメウオ(yg)
 大型のウミウシで15pぐらいまで成長する。
 色彩は非常に奇麗で変異も多く見られる。そのため学術的に種別精査の段階でかなり議論があったようだ。
 いずれにせよ名前に違わず美しいウミウシである。
 “左ヒラメの右ガレイ”とは目の位置。本種体の左側に両目が並ぶ。
 体長1cmぐらいから、右目が徐々に左側に移動。果たして本人、『ん、あれ〜ッ???』とか思うのだろうか。それってどんな世界??? ある意味ちょっと怖い。
 にしてもこの歯にこの顔。何度出会っても撮り飽きない。ミスター〈?〉・フォトジェニック。
 夏も終わり秋が始まろうという頃、台風と共にやってくる、まるで枯葉のようなお魚さん。
 入り江の水面ギリギリのところで、が故に木の葉の如く、浮遊している。
 岸からでもその存在を窺い知ることが出来る。
クロイシモチ クマノミ(yg) シロオビコダマウサギ
 よく“死んだ目を持つ魚”と言われている。然して珍しい魚ではないが、気になる存在。
 砂地の何かあるものに身を寄せ潜在する。こん子はサザエの貝殻が御家のようだ。
 それにしても不思議な雰囲気を放ちながらも例えようも無い地味さが、何とも魅力。
 西湘エリアではなかなかの存在。
 夏の終わりぐらいにやってきて、その時のサイズは2cm有るか無いか。それが年まで越して5センチ以上まで。越冬は難しいといわれるが、果たしてこん子は…。
 写真の子は石橋一番乗りの一号クマノミさんです。
 ウミトサカを宿主にそのポリプを食べながら寄生する貝、ウミウサギの仲間。
 貝を覆う外套膜には宿主に巧く擬態できるよう様々な紋様が施されている。ただその絵柄が実に美しい。
 中でもこの種は際立っていて、むしろ目立っている。
セロガタケボリ ガラスハゼ ベニカエルアンコウ
×3
 ホソエダトゲトサカに寄生しポリプを食餌するウミウサギの仲間。
 そのポリプに色を似せてはいるが、その紋様は実に独特で美しい。“海中の生きたジュエリー”とまで云われる所以だ。
 ただ模様には変異が多く種の精査がなかなか難しい。極似のコダマウサギと見間違えた経緯もある。それも含めて奥が深く興味が尽きない。
 石橋では定番の本種。一つのヤギに何個体も住み着くことがある。
 名前のとおり体が透けて見える程だが、運がよければ卵も透けて見える。
 写真はすでにヤギに産み付けをしているところ、透明色でヤギに皮膜のように巻きついているのが卵塊。
 こんなことも時として起こる。
 白色の個体が2匹、薄いピンクが1匹、所狭しと仲良く? 3匹が並ぶ。なかなか見れる光景ではないが…。
 因みに左端の一番大きい固体のお腹には卵がすでに詰まっている。お目出度だ。誰との子かは不明。
ベニカエルアンコウ ベニカエルアンコウ セスジミノウミウシ
 いつも岩壁や海綿などに擬態するように身を潜めている彼ら。
 色彩変異に富んでいるのが特徴でもある。この個体は白色で海綿を好んで大概決まったところに腰を据えている。
 何を思いながらこちらを見つめているのだろうか。半開きの口に白く覗くスキッ歯。何とも言えない表情が愛くるしい。 
 石橋ではなじみの顔。この個体は割りと長いことここに居る常連さんだ。
 “ベニ”とは言うが色彩変異は豊富でこん子はこの種にしては綺麗な白。塵も殆ど付けていない。擬態名人でもあるがその体色からか、ワタトリカイメンをお好み様だ。
 ただ皮肉(我々にとっては幸い)にも良く目立っている。遠くからでもその“白”が良く映えている。
 夏の終わり位から出始めるミノウミウシの仲間。この辺りでは割と多く見かける普通種。
 ただその色鮮やかさは海の中でも一際目を惹く存在。淡い紫色が煌々と輝いて見える。
 背中に長く伸びるミノの先端には濃いピンク色が染まり、体には同色の線が入る。被写体としても人気種だ。
セスジミノウミウシ ミナミハタンポ フリソデエビ
 先陣を切って登場する秋のウミウシの代表。
 とても奇麗な色をしていて、ミノの先端が赤紫に染まる。また体の中心に名称の由来、同色の線が一本。
 写真の固体はまだ2センチにも満たないが、成長すると5センチ程にまでなる。
 秋から冬の代名詞または風物詩とでも言えるだろうか。
 海面に程近い浅瀬で物陰に身を潜めるように群れを成す。その数はかなりのもので、また陽の光に照らされて体表がキラキラと輝く光景は圧巻であり幻想的でもある。
 一方でやおら彼らが姿を消しだすと海の中にも春の訪れが予感される。
 この辺りでは非常に珍しい南方系のエビ。
 名前の通りハサミ足に振袖の様な物を携える。見た目はかなり変わった風体だが、その動きもまた奇妙。
 其の“フリソデ”を、舞を舞うかの如く大きく振り回す。まるでゼンマイ仕掛けのおもちゃ宛らに。どうにもこうにも愛らしく、無論人気者である。
クモガニ コマチコシオリエビ イソギンチャクモエビ
 何とも言えないこの顔つきにこのフォルム。地味ではあるが、気になって仕方がない。
 色々調べては見たものの詳しい生態は掴めず。見る限り殆ど動かず単独を好む様だ。何をして暮らしているのだろうかと、余計なお世話も含めて不思議なオーラに包まれる。
 近似種にオラウータンクラブというカニがいるが、これもまた興味深い種なのだ。

 ウミシダに棲息する―名はエビだが異尾種―ヤドカリなどの仲間。
 宿主にあわせ体色を変えられるらしく―この写真の個体はなかなか綺麗な色合いをしているが―宿を変えれば其の色に徐々に順応していく。
 2匹折り重なるように根元に張り付いているのが妙に愛らしい。因みに“コマチ”とはウミシダのことだとか。
 イソギンチャク類に棲む小さなエビ。
 人目を誘う最大の特徴はお尻を高く上げ前後左右絶え間なく振り続けていること。威嚇とも言われている。ただちょっと不格好ではあるが、魅惑?の腰振りダンスとも…。
 探すのは割りと簡単だがかなり小心なようで、すぐに隠れてしまう。お近付きの際は密やかに。
トラフケボリ イロカエルアンコウ
(yg)
クシノハカクレエビ
 多種多様な個体が存在するウミウサギだが、擬態とは程遠い柄模様を持つものもいる。
 黄色に黒のストライプ『警告色』?で“危険注意、近寄るな”とでも言いたげなのだが、こちらとしては目に入り安く願ったり適ったりなのだ。
 被写体としても色格好見栄えもあり御誂え向きである。
 わりとこの辺りでは出難いカエルアンコウの仲間。過去に何度か出てはいるが2012年としては初。
 第一背鰭が変形してリーゼント風?の角のようなものが良く目立って特徴的。円らな瞳をくるくるさせながら岩壁に潜み獲物を待ち受ける。
 色彩変異が豊富だがあまり擬態をしている風ではなくむしろよく目立つ色合いだ。
 筒状の海面―ザラカイメンなど―の中に身を潜め生息するテナガエビ。
 近似のザラカイメンカクレエビとは鋏の可動指が僅かに赤みを帯び全体的には細身で且つ左右の大きさが非対称であることから区別可能。
 奥にも仲間が共棲、狭い世界の住人は時に外界が気になるのだろうか、筒口付近で顔を覗かせてはこちらをひっそりと窺い知ろうとしているかの様だ。
ashiaro
old air rhyme
ashiato
old air rhyme
ashiato
old air rhyme
nagi-sur-round
nagi-sur-round nagi-sur-round
old air rhyme
nagisa old air rhyme
nagisa old air rhyme
nagisa
nagi-sur-round nagi-sur-round nagi-sur-round
凪~sur-round
あ・し・あ・と
spring     summer     Autumn     winter

old air rhyme 2010-13 (C) all rights reserved