old air rhyme
凪~sur-round
あ・し・あ・と
SPRING     summer     autumn     winter
 冬から春、そして春から夏。少し閑散とし静けさを感じさせる海から、命溢れる賑わいの海へと変わっていくこの時期。その過程を日々新たな出会いと共に愉しみ味わえる春の海。海中が四季の中で最も変化に富んだ季節かもしれません。
 時期的には“春の濁り”など、時に困ることもありますが、それでも生命の息吹は間違いなく海の中で芽生え始め、それを感じる事が出来ます。またその年を占う点でも重要でかつ意味深い季節だと。
 冬からの居残り組みも交えながら、夏には代が変わり成体となっていく魚や生物を始め、ネコザメなどの板鰓類や特に多くの種類を見る事が出来るウミウシ類など沢山の出会いが期待できます。
 ダンゴウオ、スナビクニン、
ススメダイ、ネンブツダイ、イサキ(yg)、マアジ(yg)
ミノカサゴ(yg、ad)、アオリイカ、ネコザメ、ドチザメ、ツバクロエイ
ガラスハゼ、チャガラ(yg)、ハナハゼ(yg)、オキゴンベ(yg)
セミホウボウ(yg、ad)、ホウボウ(yg、ad)、ヒラメ、カレイ
イロカエルアンコウ、ベニカエルアンコウ、カエルアンコウ(yg)
サクラミノウミウシ、スミゾメミノウミウシ、コガネミノウミウシ
ダンズミノウミウシ、シロウミウシ、シモダイロウミウシ
ハナショウジョウウミウシ、ヒロウミウシ、オトメウミウシ
ホソジマオトメウミウシ、カメキオトメウミウシ、ミヤコウミウシ
スウィートジェリーミドリガイ、アズキウミウシ、コノハミドリガイ
etc
  
ダンゴウオ ダンゴウオ(yg)
ネコザメ
 冬の名物詩であり人気者。
 出始めはまだ1ミリにも満たない大きさ。だが春になるまでに2cmほどまでに成長する。エツキイワノカワという海藻の上で生活している事が多い。
 一所より殆ど動く事が無いので、春の半ばぐらいまで成長を観察する事が出来る。しかしその後の行方は…。
 冬から春にかけて見ることができるアイドル的存在。写真の固体は5月も後半ではあるが、5o程度の大きさ。
 彼らは海藻の上を好み暮すのだが、彼らのおなか、つまりは腹鰭が吸盤になっていて海藻などに吸着している。
 その吸盤が体を翻した瞬間、僅かに覗く。
 
 いずれ神出鬼没の代名詞(石橋では)。お姿が見えないときはこんな感じでありました。
 岩の穴倉で、お休み中。こっそり失礼してお尻から。
 後姿ではあるが迫力はある。因みにお尻にある二股の鞘状のものは交接器。
イロカエルアンコウ
スナイソギンチャク
カザリイソギンチャク
 イロカエルアンコウの黒。
 時に広範囲で出没する。一度出会えれば暫く同じ場所に鎮座するも、動き出すと止まらないようで、足取も掴めず暫く姿を隠してしまう。彼もまた神出鬼没。はたして何処で何をされておるのか??
 冬から春、砂地に花を咲かすように姿を現す。
 種としてはかなり大きい。高さにして30センチを越すこともある。また色彩の変異も多く写真の白以外にも黒や紫なども見受けられ、なかなか見応えのあるイソギンチャクだ。
 時にこれを宿主にしたカニさんも居たりする。要チェック!!
 誠、妖艶な佇まいのカザリイソギンチャク。
 その容姿に違わずちょっときつめの毒をお持ちとのこと。刺されるとかなり痛むらしい。
 昼間はまだこの容姿だが、夜になると頭からとても長い触手を伸ばし、それを漂わせる。 怖し
スズメダイ
ネンブツダイ ムラクモコダマウサギ
 カジメ林に頭を突っ込むと、そこに射し込む零れ日も美しいが、その中を泳ぐ彼らもまたその日に浮かんで美しく映った。
 慌しく右往左往する彼ら、何やら集会でもあるのだろうか?はたまた学校か
 春から夏になる季節が変わる頃にも彼らはかなりの数で群れを作る。それは時に壁であり、帯状に数十メートルと繋がっていく。
 正に圧巻の光景が広がる。
 ウミウサギの仲間。チジミトサカなどに寄生する。
 ムラクモ=群雲とはなかなか洒落た名前、外套膜で被われた貝の表面に群雲模様があることから命名、よく似るヒナコダマウサギとの違いでもある。
 あまり見かけることのない奇麗な貝だ。
トラフケボリ マアジの群れ クロアナゴ
 貝の仲間。ヤギなどに着生。トラ模様の外套膜で貝を被っている。
 保護色が多いウミウサギガイの仲間としてはかなり派手な色彩をしていてよく目立つ。
 目立つにも拘らずよく見かける敢て?の黒と黄色のストライプ。海中世界でもやはり意味ありか???←警告色?。
 大きな群れをつくりながら、砂地や岩陰に屯する。
 大きい固体では30センチ以上はあるかと思うが、かなりの密度で集まっているのでまるで壁のようで圧倒される。
 余程この場所で居心地が良いのだろうか、離れる事なく居座っている。
 一所に住み着くと暫くはそこをねぐらにしている。
 普通種ではあるが何とも言えない不思議なオーラを持った存在で無視できない。
 太さは径にして10〜12cm位になる。長さは1メートル弱、こんな感じで細長い穴の中を好み、じっとしている。

ミノカサゴ(yg) スミゾメミノウミウシ
シロウミウシ
 ご存知ミノカサゴ、ただ子供の頃の容姿はなんとも色艶があり美しく、そして可愛い。
 子供ながらに立派な鰭を持ち、眼上部には成魚になると消えてしまう長い皮弁が立っている。
 まだ身を守る術を知らないためだろうか、岩の隙間にひっそりと潜んでいた。
 この界隈ではこの時期の代表的なウミウシ。
 写真の固体は1センチにも満たない大きさだが、暫くすると5センチぐらいにまでなる。時に何匹かで固まる事があるが、なかなか美しい。
 背中に蓑を背負っているかのような姿からこの名前。蓑は触ると抜け落ちてしまう。
 基本4種と言われるウミウシの一種。
 春から夏に入る頃に彼らはペアーになり交接を始める。至る所で彼らの姿を見かけるが、その数は半端ではない。
 追いつ追われつの光景が見ていてなんとも面白くもあり、興味深い。そして不思議と画になる。
ホソジマオトメウミウシ ハナオトメウミウシ オセザキオトメウミウシ
 大型のウミウシになるのだろうか。大きいもので10センチぐらいまで成長する。そんな2匹が只今交接中。
 晩春から初夏にかけて数は多くないが、存在感でよく目に付く。
 この何とも言えない毒々しさに思わず惹かれる。
 海の中にも冬が訪れると、春まで姿を見せるようになる。
 真っ白な体にオレンジ色の模様が海の中ではよく目立つ。背中にある輪っかの模様が特徴的な本種。
 彼が出始めるといよいよウミウシの季節が到来する。
 オトメウミウシの中でも割と地味でありながらグロテスクな印象を持つ本種。
 石橋の海では毎年普通に見られるが個体数としては然して多くは無いのかもしれない。
 好みの場所はあるようだが行動範囲は広いらしく一所に留まらない。
  
ミツイラメリウミウシ ネンブツダイの群れ ミノカサゴ
 この季節になるとこの辺りでは割と普通に見られるウミウシなのかもしれない。多数まとめて見かけることもある。
 固体としてはかなり小さい。写真の固体で5oもないが、色彩はこの黄色とcvで白色。とにかく綺麗に光って見える。外枠の縁取りもなんとなくおしゃれ。
 そんなお洒落さんは只今交接中。
 冬の頃から何処からとも無く沸いてくる。
 基本的には通年性でどの時期であっても見かけることの出来る普通種、だがこれだけの数で群れてくるとさすがに特別な存在に格上げせざるを得ない。
 この時期無くてならない存在感です。
 春〜夏と砂地でしばし見かけるようになる彼ら、とにかく興味津々の眼差しでいかにも親しげに近寄ってくる、過ぎるぐらいに。
 キラキラ光るものがどうにも気になるようだが、要はハゼや小魚と見間違うてのこと。
 ダイバーの吐く泡やレンズとて、まぁそういうことなのだ。
キタマクラの赤ちゃん ダンゴウオ ashiato
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 春になると何処からともなくちっちゃい彼らはやってくる。大きさにして2cm程度の大きさ。
 潮の動きに抗いながらも揺ら揺らと、巧みに尾鰭や胸鰭を使いバランスをとりながら留まっている。
 まだまだ幼き顔つきではあるが、その緑に輝く円らな瞳には一体何が映っているのだろうか。
 冬の終わり3月頃、孵化した彼らが顔を見せ始める。“天使の輪”と呼ばれる縞模様を持って。
 大きさにして2mm弱。実に小さいが“天使の輪”は初々しさをもってはっきりと浮かび上がっている。やがて個体の成長と共にその輪っかは薄れ、またその生息環境も変わっていく。
 写真ではフクロノリからエツキイワノカワへと移り住んでいる。下の個体は3mm程の大きさ。
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