old air rhyme
凪~sur-round
あ・し・あ・と
spring     SUMMER     autumn     winter
 夏、暑い陽射と共に台風もやってくる季節。そしてその台風が相模西湘の海中の様相を一気に変えていきます。
 強い陽射に照らされた海水は水温を上げていき、それにより海の中は多くの生物で活気付き出します。ただそれだけでは本来?の期待すべき夏の海とはなりません。
 つまり沖合いにある黒潮の影響を受けることで夏の海は仕上がっていきます。時に台風がその手助けとなるのです。台風に寄せられた黒潮の支流が水温をさらに上げ、同時に南方系の生物(季節来遊魚や死滅回遊魚)を運んできます。併せて地の魚や生物も当然のことながら活気付きます。
 ただそれは紛れも無い互いの食物連鎖の広がりでもあり、彼らの活気は正に、その中にこそあるとも言えるのです。
 この夏と言う季節にその一端を垣間見、感じてみるのもまた一興です。
 
 アオリイカ、イナダ、カンパチ
スズメダイ、マアジ、イサキ、ネンブツダイ、メジナ
カエルアンコウ、ベニカエルアンコウ、イロカエルアンコウ
イバラタツ、ハナタツ、タツノイトコ
ミツボシクロスズメダイ、クマノミ、ガラスハゼ、ハナハゼ
クロユリハゼ、ニシキハゼ、チャガラ、ダテハゼ
ミノカサゴ、キリンミノ、ハナミノカサゴ、ヤマノカミ
ミナミハコフグ(yg)、ツマジロモンガラ、アミメハギ、ヨソギ
イソギンチャクエビ、カザリイソギンチャクエビ
イソギンチャクモエビ、アカホシカクレエビ、マルガザミ
アサヒガニ、ハナオトメウミウシ、セスジミノウミウシ
ムラキウミコチョウ、キイロウミコチョウ
ムカデミノウミウシ(yg)、フジイロウミウシ
etc
  
28pics slide
ニシキフウライウオ
(♂)
ニシキフウライウオ(♀) ニシキフウライウオ
抱卵
 南方系のお魚さんでカミソリウオの仲間。
 ヤギなどに擬態し頭を下にゆらゆら浮遊している。そこに“風来”の感あり。風来する細身の体は時にその角度で姿を晦ます。
 色彩変異は豊富だがいずれにせよ色柄は鮮やかで見栄えがする。さすが“錦”の名に恥じない。
 ニシキフウライウオの雌。雄に比べて姿態がしっかりしていて大きい。ペアーの写真で見比べてもその違いは一目瞭然である。
 最大の特徴は腹鰭の大きさ。雌は産卵の後この腹鰭に卵を受け止め、そのまま抱えて孵化を待つ。
 写真の個体はすでに卵を抱えている。
 卵を包み込むように抱く腹鰭の隙間から白色透明な卵塊の粒粒が覗く。
 卵を抱える間、絶え間なくゆっくりと且つしなやかに鰭を開閉させ、卵が酸欠にならぬよう新鮮な海水を常に取り込み循環させる。
 それは止むことなく動き続ける心臓の拍動に似ている。
ニシキフウライウオ
ペア
イバラタツ ハナタツ
 ニシキフウライウオがペアーで並ぶ。手前が雄で奥に見えるのが雌。
 カミソリウオの仲間は大概ペアーで観察される事が多い。とは言えこの辺りでは南方系の中でも滅多に御目に掛かれない“超”が付くほどのレアもの。それがペアーとは…。
 互いに揺ら揺らと色々含め何やら優雅に映る。
 名前の通り、体中“いばら”が立っております。“いばら”が立って“イバラタツ”。洒落??…
 タツの中では実に奇麗で、比較的貴重な固体かもしれません。
 光が当らない水の中ではソフトコーラルに巧いこと溶け込んでいます。
 タツの仲間の代表格。西湘、東伊豆エリアではよく目にする種。 ただ藻などに巧い事擬態をしているので見つけ出すのは割と難儀。
 風体はいわゆる“タツノオトシゴ”で知られる通り。竜のような面持ちで尻尾をくるっとものなどに巻きつけて、ゆらゆらとしている
ミノカサゴ(あくび)
クマノミの赤ちゃん アオリイカの卵塊
 夏になると良く出没する。
 人懐こいかの様にダイバーに近づいてくるが、ダイバーの吐く泡やレンズなどキラキラしたものに興味があるようだ。砂を巻き上げても寄ってくる。
 ただその背びれには毒がある。で、寄ってきてはよく欠伸をする。ナンだよッ!!!それ。
 何とも可愛いクマノミの赤ちゃん。写真の固体は大きさにして1cmにも満たない。
 宿主であるオオサンゴイソギンチャクの触手の中をちょこまかちょかまかと動きまくる。
 これからどんどん大きくなっていくその成長を見守りたい。
 夏に差し掛かる頃、至る所で見られるようになるアオリイカの卵。
 卵塊の大きさも日増しに大きくなっていく。
 カジメ林の中に産み込まれた、白いこの塊は、沢山の生命を宿しながら今日も潮の鼓動に合わせ、ゆさゆさと身を弛ませる。
アオリイカの産卵 カエルアンコウ
とエスカ
ベニカエルアンコウ
 夏も半ば過ぎ、彼等にとっては春から始まった産卵期も終盤戦。
 人目も憚ることなく、ただひたすらに、昼夜を問わず産卵に勤しむ。その様は実に感動的でかつドラマチックに展開される。
 体色や模様を頻繁に変え、雄は雌に産卵を促す、受精された卵を次々と産卵床に植付けていく
 カエルアンコウはご存知その名の通りアンコウの仲間。
 それが証拠のエスカ。頭のところから刺条を出しその先に疑似餌を付けて獲物を誘い込む。獲物が近寄ってきた瞬間に大きな口を開けてパクリ!!です。水を飲み込む勢いでパクリです。
 ここ石橋ではよく見かける種。
 いつも岩壁に擬態しているのが特徴。擬態しているだけのことはあって大概肌が汚い…様に見える。
 “ベニ”とは言っても決して“紅”とは限らない。ややこしや。
カエルアンコウ(yg)
イロカエルアンコウ
マルガザミ
 通称“ザ”、何かを食したばかりかお腹がパンパン。短い両腕?でなんともアクロバティックな格好を…。第一背鰭に値する瘤状の突起からはケバケバが出ていて、それもまた愛らしい。
 こん子もまず一所に留まる事を知らない性、見られるうちに見ておくべし。
 ベニカエルや普通のカエルアンコウに比べれと比較的温暖なところを好む様だ。
 岩の上に佇んで(?)いる事が多く、ただ別段擬態しようとしている風ではない。むしろよく目立つ。
 色彩は豊富で奇麗な色合いをした固体が多い。
 スナイソギンチャクを宿主にするカニさん。
 この写真の固体は大きさにして3センチほど。それはそれは大きい方です。そのせいかそれなりに肝が据わっている感じが。とは言えイソギンチャクの触手を盾?に、じっとこちらを覗う感じがなんとも…
キャラメルウミウシ キイロウミコチョウ マンリョウウミウシ
 “キャラメル”とはなかなか可愛い名前が付いている。
 どちらかと言うと南方系のウミウシでこの辺で見ることはあまり無いようで、やや稀種と言えるかもしれない。
 色彩変異はあるようだが総じてこの“キャラメル”色だ。
 泳ぐウミウシで知られるウミコチョウの仲間。
 外套膜を左右に広げて鳥が空に羽ばたくように泳ぐ様子が時に見られる。5mmにも満たない大きさで、その姿はまるで妖精のようにも見えることからか人気もある。
 この辺りではよく目にする夏の通常種、特にこの黄色で目に付く。
 なかなかグロテスクな容姿をしている。
 特に砂地を徘徊しているところで目撃するが、それほど個体数は多くないようだ。
 背部は沢山の突起で多い尽くされているが、その突起の形状はまるで出来損ないの鏡餅のようで、それが近似種と見分ける特徴でもある。
ベニカエルアンコウ ベニホンヤドカリ マツカサウオ
 この辺りでは普通に見かけるカエルアンコウ。大概同じような場所を好む。
 とりわけ岩肌に擬態していることが多い。体の表面には細かい被弁のようなものがあり、それに塵などが付着することでより擬態を巧くしている。
 ただその分汚く映るのが、たまにキズでもある。
 岩の隙間などに身を潜めていることが多い。実際、少しでも脅かしてしまうとすぐに貝の中に姿を隠してしまう。
 その割りには、ヤドカリの中でも鮮やかな色合いをしているほうで、なかなか綺麗でよく目立つ。
 また少し潤んだようにも映る瞳もまた密かな魅力かも。
 マツカサウオ。名前の通り松毬に由来。
 岩の下に潜み、地味な印象ではあるが、キンキラキンな存在。出会えると何とも嬉しい。
 必死でレンズを向けるもなかなかこちらを向いてくれない。困リ果ててると、たまに体をくるりと翻す。そのときがシャッターチャンス。
オキゴンベの子供
ハコフグの赤ちゃん
キタマクラの赤ちゃん
 ここ石橋ではよく見かけるオキゴンベ。
 オレンジ色の体がよく映える。そして特徴的な背鰭先端のひらひら。
 好奇心は旺盛で、レンズに興味津々??で近づいてくる。愛嬌のあるヤツなのだ。
 岩の下でただゆらゆらと漂っているかの様に見える、とても小さくて、黄色いボディに黒のドット柄がめちゃキュートなハコフグの赤ちゃん。
 ようこんなん産まれて来ましたなぁ〜、と思わず手に取ってしまいたくなるかわゆさです。
 初夏随所で見かけて、とても気になってしまう。
 岩陰や海藻の陰に身を潜めながら、時折こちらの様子を覗う仕草がなんとも可愛い。大人になるとそうでもないこん子も、この時期結構なほどの熱い視線に晒されている??…かもしれない。
アカハチハゼ old air rhyme
nagisa old air rhyme
nagisa
 黄色い頭と目の下の青い線が主な特徴。南方系のハゼ。また砂を濾して食餌をするフィールターフィーダーとしても知られる。
 浅瀬などで忙しなく砂を咥えては鰓から吐き出す行為を繰り返し、あっちからこっちへフラフラと落ち着かない。
 ただそこがまた可愛く見ているものを飽きさせない。
nagi-sur-round nagi-sur-round
ashiaro
old air rhyme
ashiato
old air rhyme
ashiato
old air rhyme
nagi-sur-round
nagi-sur-round nagi-sur-round
old air rhyme
nagisa old air rhyme
nagisa old air rhyme
nagisa
nagi-sur-round nagi-sur-round nagi-sur-round
凪~sur-round
あ・し・あ・と
spring     Summer     autumn     winter

old air rhyme 2010-12 (C) all rights reserved